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従業員満足度調査の全てがわかる

従業員満足度調査の全てがわかる

3. 分析しましょう

相関係数を使った分析方法をみてみましょう!

不満である項目全てに対策をとることは中々できません。 本来なら全てに対策を取れれば良いのですが、費用や時間など問題もあり不可能です。 そこで必要になるのが、重点化、つまり重み付けです。
重み付けを統計的に算出するには、相関係数を用います。

相関係数を理解するのために、「社員旅行についてのアンケート」を例に考えてみたいと思います。

例:社員旅行についてのアンケート

過去に実施した社員旅行について調査したい場合

総合的な質問として
・私は、社員旅行について満足している


総合的な質問の要因についての質問
1. 私は、(社員旅行の)「観光地」について満足している
2. 私は、(社員旅行の)「旅費の自己負担」について満足している
3. 私は、(社員旅行の)「宿泊の快適性」について満足している
4. 私は、(社員旅行の)「食事の内容」について満足している


回答の選択肢
5: 非常にそう思う
4: そう思う
3: どちらともいえない
2: そう思わない
1: 全くそう思わない

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アンケート結果を相関図にしてみる

このアンケート調査結果を縦軸に「社員旅行の満足度」、横軸に「各質問項目の満足度」とって、下のようにグラフにプロッド(点であらわすこと)してみます。これを相関図といいます。
相関係数とは、2つの変数の間で、一方が増加するにつれて、他方が直線的に増加、または減少する関係をあらわした指標です。

相関係数は、Microsoft Excel でも関数が用意されています。(CORREL 2つの配列の相関係数をかえします。)

A:「観光地」と社員旅行の満足度

グラフA(相関係数 = 1)

「観光地」の満足度が高まるにつれて、社員旅行の満足度も増加しています。

(正の)相関関係は非常に強い状態です。

つまり、社員旅行の満足度の要因として、非常に重要な要因であるといえます。


B:「旅費の自己負担」と社員旅行の満足度

グラフB(相関係数 = -0.7)

「旅費の自己負担」の満足度が高まるにつれて、社員旅行の満足度が減少しています。

(負の)相関関係が強い状態です。

つまり、社員旅行の不満足度の要因として、非常に重要な要因であるといえます。


C:「宿泊の快適性」と社員旅行の満足度

グラフC・D(相関係数 = -0)

「宿泊の快適性」の満足度は、社員旅行の満足度に相関関係が見られない状態です。

つまり、社員旅行の満足度の要因として、重要な要因ではないといえます。


D:「食事の内容」と社員旅行の満足度

グラフD(相関係数 = -0)

「食事の内容」の満足度は、社員旅行の満足度に相関関係が見られない状態です。

つまり、社員旅行の満足度の要因として、重要な要因ではないといえます。



このように、相関関係を見ることによって、満足度の重要な要因を見つけることができます。この相関関係の強さを相関係数といって、計算式を使って算出することができます。

  • 絶対値
  • 0.7以上  強い相関
  • 0.4〜0.7  中程度の相関
  • 0.2〜0.4  弱い相関
  • 0.2以下  相関はほとんどない

相関係数がプラスの場合は正相関、マイナスの場合は逆相関と言い、その絶対値が1に近い場合は相関が高く、0に近い場合は低くなります。


上ではグラフDにおいて、相関関係が見られないといいましたが、もう少し詳しく見てみましょう。

回答者の年齢を30歳以上と30歳未満とに色づけをしてみると右のようになりました。
次に下のように30歳以上と30歳未満とに分解してみたところグラフE:30歳以上では、(正の)相関関係があらたにみつかりました。

以上のように、社員旅行の満足度の重要な要因は、「観光地」と30歳以上では「食事の内容」であることが判明いたしました。

この例では、社員旅行でしたが、重要な満足度の要因を分析する方法が、おわかりいただけたものと思います。 さらに、質問する項目を4つの象限に分けて(ポートフォリオ分析)分析すると何に対策を打てばよいかを導き出すことができます。

縦軸に満足度、横軸に相関係数により算出した重要度で、それぞれの項目を分類いたしますと下のようになり、重点的に改善しなければならない項目が明確になります。

重点改善項目
重要な満足要因で、しかも不満足の項目。 したがって、最優先で改善に向けた活動が必要になります。

重点維持項目
重要な満足要因で、しかも満足度が高い項目。 会社の強みとして、維持強化を図ることが必要です。

維持項目
重要度が低く、満足している項目であり、維持していくことが必要です。

ウォッチ項目
満足度が低いですが、社員にとって重要でない項目。 改善の優先順位は低いです。



次のステップは【活用することが重要です】

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